昭和のテレビ黄金時代、現代では想像できない「過激演出」が日常的に放送されていました。深夜帯のバラエティ番組では、水着モデルがプールサイドで身体測定をする「スポーツテスト」という名目の企画が人気を博し、若手タレントが胸元の開いた衣装で歌謡ショーに出演する光景も珍しくありませんでした。
特に1970年代後半から80年代にかけて、男性向け雑誌とのコラボレーション番組が急増。視聴者参加型の「ミスコン特集」や、著名作家が赤裸々に性を語る教養番組『11PM』が社会現象となり、家庭のリビングに「大人の笑い」を持ち込みました。当時の放送倫理は現在よりも緩やかで、現代の基準では放送禁止に近いギリギリの表現が、技術的な制約を逆手に取った独特のユーモアとして受け入れられていたのです。
こうした番組群は「一億総白痴化」批判を受けつつも、高度経済成長期の日本が抱える性のタブーを可視化する文化的装置として機能しました。VHSの普及とともに衰退した「テレビエロス」は、現代のネット動画時代を先取りするメディア実験だったと言えるでしょう。